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  3. 転職コンサルタントをPepperに入れ替えてみた結果

ちょっとだけ、未来のハナシ

ちょっとだけ、未来のハナシ

 ソニーの「AIBO(アイボ)」やホンダの「ASIMO(アシモ)」が記憶に新しいですが、「Pepper」という次世代ロボットをご存知でしょうか。ソフトバンクとAldebaran Roboticsにより共同開発された人工知能搭載の感情認識ヒューマノイドロボットです。今後、エンターテイメント・福祉介護・教育といった分野への応用が期待されています。

 iPhoneの「Siri」という機能を使った事はありますか。あれは人工知能を使った音声対話システムです。また、Google社が自動車を自動で運転する技術を開発中で、アマゾンはドローンによる商品配送システムに人工知能を組み込もうとしています。このように、世の中では人工知能の話題が持ちきりです。

 そんな中、編集部がふと疑問に思ったのです。「人材紹介ビジネスを人工知能で置き換えられないか≒転職コンサルタントをPepperに入れ替えてみたら」、何が起こるのかと。人工知能といっても今のところは、人間の行動や知能をコンピュータ化、擬似化したものに過ぎないですが、そのうち、本当に「ドラえもん」が登場するかもしれません。

 さて話を戻しますと、人材紹介の強みが転職活動において「人が介在する」ことですが、「人がサポートする場合としない場合で何が違うのか」を検証してみたいと思います。

 このコラムは、人材紹介ビジネスを機械化・自動化させたいという思いで投稿したわけではございません。転職コンサルタントの「存在意義」をPepperというロボットを通して、考えてみたいと思います。

本題に入る前に、Pepperとは一体ナニモノか?(2015年8月現在)

本題に入る前に、Pepperとは一体ナニモノか?

Pepperのプロフィールは、次の通りです。ここから下が引用エリアとなります。

身長120cm、体重28kgの整った体形

関節17ヶ所:滑らかな動作を行い、ユーザーの体の一部が挟まれないよう対策済み

ホイールタイヤ3つ:全方向に移動可能

連続稼働時間:12時間の電源を確保

40件以上の革新技術の特許取得済

3Dカメラ1台:周囲3m範囲内にいる人間とその動作を認識

ALDEBARAN社より引用

Pepperの紹介動画です。


そもそも、転職コンサルタントは普段どんな仕事をしているの?

そもそも、転職コンサルタントは普段どんな仕事をしているの?

 転職コンサルタントの顧客は、求人企業と求職者です。

 企業に対しての業務は、求人企業への提案営業、求人内容のヒアリング、人材候補者の提案など、主に採用に至るまでのコンサルティングです。一方で求職者に対しての業務は、求職者の集客(スカウト)、履歴書・職務経歴書の添削やアドバイス、面談(カウンセリング)、求人紹介、面接結果のフィードバック、企業への推薦、面談日程調整、条件面の交渉、入社日の調整など求職者が内定を獲得するためのコンサルティングです 。

 このように、企業と求職者に対して様々な業務が発生し、いわゆるサービス業なので提供するサービスの質も問われます。そのため、企業側と求職者側の両方を担当する「両面型」、それに対して、企業担当と求職者を分けて担当する「分業型」というコンサルタントのスタイルがあります。

 規模の大きい人材紹介会社ですと分業型、小規模の紹介会社は両面型を採用する場合が多いです。もちろん、併用してやっている会社もあります。

 それでは、詳細を詳しく見ていきましょう。

転職コンサルタントの仕事を、Pepperに任せてみる

営業ミーティング(朝会)・情報共有

営業ミーティング(朝会)・情報共有

 チーム全員が毎日顔を合わせ、現在の状況を迅速に確認しあう、朝会でよくある風景です。これは、Pepperも出来そうですよね。

 共有・確認事項としては、「求人企業の動向」「他社人材紹介会社の動向」「新規・既存求人のステータス状況」「求職者の書類選考・面談選考の状況」「売り上げ報告」と言ったところでしょうか。

 データを共有するグループウェアを作って、各々の進捗状況を報告しあう事も出来そうです。

求人開拓のためのテレアポ

求人開拓のためのテレアポ

 転職コンサルタントの重要な仕事の一つに「求人情報の開拓」があります。当然、求人がなければ求職者に紹介出来ませんし、売り上げもたてる事も出来ません。求人を獲得する方法は、主に新規開拓(電話営業・人脈を駆使)と企業からの直接問合せがあります。

 よほど規模の大きい紹介会社でないと、企業の問合せはないでしょう。そのため、人材紹介会社にとって求人開拓という業務はとても重要です。このビジネスはマッチングビジネスであり、求人の確保、求職者の確保をして、初めて成り立つビジネスです。

 テレアポするためには、コール先のリストアップ、そのリスト管理、トークの確立です。ここで問題になってくるのは、やはり「トークの内容」です。いくら人工知能といっても、会話に柔軟性がなければなりません。

 何億万もの種類のトークスクリプトを仮にPepperに記憶させ、パターン化したとしても、人間のような会話は成り立たないでしょう。また、テレアポをしてクレームにつながることは多々あります。トップ営業であれば、これをチャンスと捉え、商談に持ち込むなんて事も出来ると思いますが、“今の”Pepperでは力は及ばないでしょう。

求人企業とのリレーション維持・強化

求人企業とのリレーション維持・強化

 求人企業といっても、実際にコミュニケーションするのは企業の人事担当者で、感情ある生身の人間です。感情を読み取って、例えば月曜日と金曜日のトークの仕方を変えみたり、担当者の声のトーンを読み取って、悪い時は機嫌を取るような会話をしたりと、どの会話をするか人それぞれです。

 選択肢はそれぞれあるものの会話をフレームワーク化・パターン化すれば、ある程度の会話レベルまで実現可能そうですが、そこには柔軟性がないでしょう。

 やはり、テレアポ同様に会話が問題になりそうです。臨機応変な対応が出来る“機能”がPepperに備われば出来そうですが・・・課題が山積みです。先方がロボットとやり取りしたくないと言われれば、それまでですが。

クライアント企業への訪問

クライアント企業への訪問

 企業との関係値が高くなると、独占的に求人を貰ったり、推薦した人材は書類選考なしで面接したり、採用条件の良い案件情報をもらえたりするようになります。ここが転職コンサルタントの見せ場でもあります。

 公共機関(電車・バス・飛行機)など移動・乗り換えやエレベーター・エスカレーターの乗り降りなど、物理的な問題を除いたとしても、やはり会話が求められるので、Pepperにとってとてもハードルが高い業務でしょう。

求人管理・更新(データベース等への入力)

求人管理・更新(データベース等への入力)

 企業へ訪問し求人を貰う事が出来たら、次は求人票の作成です。企業が採用したい人材を自身がイメージできるまで深く聞き込みかがポイントです。

 「企業名」「オフィスの住所」「代表取締役名」「企業理念」「企業沿革」「企業の売上高」「募集職種の概要」「福利厚生」等の不変情報の管理はPepperに出来そうです。

 例えば、あなたが転職コンサルタントだとして、人事担当者に「ガッツのある24〜26歳の業界不問の営業職が欲しい」と。この場合、人間とPeppeでは、「24〜26歳の業界不問の営業職」という情報の解釈にそれほど差異は生まれないでしょう。

 しかし、「ガッツのある営業」はどうでしょうか。人間であれば、その人の顔立ち、話し方、身振り手振り、経験、スキル等を総合的に判断しますが、Pepperではどうでしょうか。

 その定義を覚えさせてしまえば、それまでですが、この人間によくある「曖昧表現」をPepperがどう捉え処理するかが問題になります。仮に人事担当者が言った言葉をそのまま、求人票に転記したとしても、そこに独自性はなく、イメージの湧かない魅力の無い求人票になってしまいそうです。

キャリアカウンセリング・電話面談・求人紹介

キャリアカウンセリング・電話面談・求人紹介

 ここまで、Pepperの会話について問題視したので、キャリアカウンセリングや電話面談については割愛します。

 求人紹介については、どうでしょうか。この業務はある意味、求職者のプランニングですから、転職コンサルタントの腕の見せ所です。企業の魅力をどう伝え、行きたいと思わせるかです。また求職者の人生の岐路にも立ち会う事を意味しますので、とても重要な業務の一つです。

 求職者の生い立ちをビックデータから分析しフレームワーク化・パターン化、定義して、ある程度、その求職者の思考性・行きたい業界・企業など割り出せそうです。

 キャリアトレック(careertrek)というレコメンド型転職サイトはご存知でしょうか。これは、過去30万人の転 職した人のデータを分析し、人工知能を使って機械的に企業を紹介してくれるサービスです。プロフィール情報とキャリア診断を分析して、企業情報をレコメンドしてくれるのです。

 これであれば、Pepperでも代用出来そうですが、企業の魅力をいかに伝えるか、これは予め模範となる回答例をPepperに覚えさせておかないと、難しそうです。

必要書類の添削(履歴書・職務経歴書)

必要書類の添削(履歴書・職務経歴書)

 応募企業が決まれば、書類選考のために応募書類の作成をする必要があります。それに伴い、履歴書・職務経歴書の見直し・アドバイスも行ないます。

 人工知能を使えば、誤字脱字や文章構成チェックなど簡単に検知でき修正が出来そうですが、書類通過率をアップするために、いかに書類を立派に見せるか、テクニックが必要です。もちろん、見やすさ、分かりやすさが最低限必要ですが、職務経歴書には「発揮できる強みを自覚しているか」「転職目的が納得できるか」「仕事に意欲を持っているか」「プレゼン能力があるか」など、ロボットでは判断しづらい「曖昧な表現」をいくつも求められます。つまり、経歴を羅列するだけでは、人事担当者から興味を持たれません。人事担当者に「読ませる工夫」が必要です。

 また見直しと言っても、誤字脱字チェックだけではなく、その書類の信憑性もチェックします。例えば、営業の場合、3ヶ月連続で営業目標1,000万達成という事実をその人の会話の中から、本当かどうかを確認します。なぜチェックするかというと、もしその情報が虚偽であれば、求人企業への信頼は失墜し、継続的な取引がなくなってしまうからです。

 いくら職務経歴書のテンプレートが世に出回っているとはいえ、自己PRや仕事への熱意、志望動機など、採用目的によって人事担当者のチェックポイントは変わります。アピールツールとしてどう履歴書・職務経歴書を使うか、人間のように人工知能が自動学習し、「文章の証言方法」が研磨されていけば良いですね。

選考通過のための対策(面接対策)

選考通過のための対策(面接対策)

 人事担当者からよく言われる事が、「自己PRや志望動機がテンプレートのようだ」「すべてマニュアル本に書いている内容だ」です。つまり、面接前に「作って、覚えて」来る求職者が多いので、ロボットのように感じてしまう事があるようです。

 そこを、Pepperで対策してしまったら、それこそ「ロボット化」してしまいそうです。ロボットに面接指導されてしまうなんて、あまり考えたくない未来ですが、人工知能でどこまでオリジナル性を出せるかが問われますね。面接はオリジナル性が求められる、というより本来自分をアピールする場なので、対策せずともオリジナル性があるのは当たり前の話ですが・・・。

転職希望者の進捗管理

転職希望者の進捗管理<

 求人への応募以降の選考手続きの手配、代行が主な業務です。スケジュール管理については、求職者・人事担当者の予定をPepper側でグループウェアのようなツールを使い管理出来れば、スムーズに出来るかも。人材紹介会社を使って転職するとなると、複数企業への応募が可能となります。そのため、企業ごとの進捗管理はとても重要です。面接日程調整、書類選考・面接選考の合否連絡、内定の手続きなど不変な事実の管理については、Pepperなら得意そうです。

 また、転職コンサルタントは面談後によく企業へフォローを行います。(もちろん、求職者に対しても)例えば、「面接で落ちてしまったけど、この求職者のスキル・力量だったら、この企業で内定貰える」というような変な確信があり、それは、そのコンサルタントの経験則からの判断で、もう一度求人企業へ面接を打診したりをします。

 その結果、最終面接にこぎつけた、内定を獲得出来たというような事例もあるのも事実です。端から見れば、「無理矢理、企業へ紹介しているのでは?」という疑問を持たれる方もいらしゃるかもしれませんが、人材紹介会社は企業からお金をもらって成り立っています。

 そう考えると、「この企業へ絶対決めて、売り上げをあげるんだ」というような、転職コンサルタントの熱意がPepperには必要かもしれません。

売上管理(データ入力)

売上管理(データ入力)

 言うまでもなく、売り上げ管理のようなルーティンワークに関しては、Pepperなら容易な作業でしょう。Pepper1台あれば(1人いれば?)、従来工程で発生する人件費やマネジメント工数、管理費用等を大幅に圧縮する可能性もあります。

転職コンサルタントの仕事は「奪えない」

転職コンサルタントの仕事は「奪えない」

 結論、転職コンサルタントをPepperに総入れ替えしたら、効率化される業務はあるが、人間味のないサービスとなってしまい、Pepperには転職コンサルタントの仕事は「奪えない」という結論に至りました。人材紹介の強みである「人と人の間に介在する」メリットは、ロボットには実現出来ないという事です。

 何度もPepperでは会話を実現出来ない業務があると記載しましたが、今の技術力を持ってしても、やはり人間の力には到底及ぶ事は出来ないでしょう。もし完全に実現するのであれば「自ら表出する言語・思考の柔軟性」「情緒の豊かさ」が求められます。たとえ、実現出来たとしても、人間の模範(疑似)である事は間違いないです。

 生身の人間に転職相談したくなったら、おススメの転職エージェントをご覧ください。 

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